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バレンタインスノーファイトが、素晴らしくまとまっているシナリオだったので、長い感想と、シナリオ分解の楽しみ方を、してみました。
バレンタインスノーファイト
放サモのシナリオ構成について
放サモのイベントシナリオは、強調されている要素が、マインドマップのように、点と点で繋がっていきます。
メインシナリオも繋がりますが、イベントシナリオの場合、イベント一つで完結させるためか、より目立つ形になっています。
伏線投げっぱなしにならない、上質なシナリオになっているのは、多分この力だと思います。
以前は、間を置かないと、ピンと来ない物もありましたが、最近は、かなり分かりやすくなっています。
そんなシナリオ要素を、バラしてくっつけて、私なりに解釈した物を、紹介していきます。
気になった人は、放サモでググって、レッツダウンロード。
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イベントの軸(ギリメカラが主役の意味)
a …… 応援や慰めは、負担になる
ギリメカラは、何をしても失敗してしまいます。
5人分のカレーライスを作ったのに、1人分しか作れなかったとか、そんな感じ。
美味しいカレーなんだけど、何この何……ってやつです。
自分の力のみの、成功体験を掴むなら、一人でやりきらなきゃだめです。
不発に終わった場合、周りは応援や、慰めるぐらいしか出来ません。
「よくやったね」「頑張ったね」と言われますが、本人からしてみると、失敗は失敗です。
周りからの、応援や慰めは、悪い事ではありませんが、言葉に出来ないモヤモヤって、あると思うんですよね。
一度二度ならともかく、これが数回にもなると、
「実は、馬鹿にしてるんじゃないか。どうせ俺なんて」(卑屈)
「次は頑張らなきゃ」(重圧)
「次も失敗するんだろうな」(イベントシナリオより)
等の、後ろ向きな思考に囚われると思います。
シナリオ側は、今回その流れを意識したのか、ギリメカラの話は、ここから始まっていました。
ここらへんの描写は、結構生々しくて、胃がキュッとなりました。
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b …… 失敗した理由が、運命
身の丈というか、現実的な計画を進めているのに、失敗してしまった。
何回も何回もやっているのに、失敗してしまった。
その理由は、自分の力不足等ではなく、「決まっていた」事。
言い換えると、「才能がない」の類という、どうしようもない壁です。
この言葉は、非常に魅力的です。
努力が足りないのではなくて、「どうしようもないから」です。
例えば、「あなたは神様から、別の才能を授かってるよ」と言われた場合、別の才能を伸ばす人も、大勢いると思います。
僅かでも、成功する道があるなら、絶対に失敗するよりも、そっちの方がいいに決まってます。
どうしようもないなら、失敗すると思った方が楽です。
それで失敗しても、自分を攻める事はありません。
何かが成功したとしても、それはラッキーで終わります。
ただ、これはギリメカラの目的と、全く異なります。
成功してラッキーではなくて、自分で掴んだ成功がほしい。
この矛盾を抱えたキャラクターが、ギリメカラです。
シナリオ中では、気持ち的に限界だったので、「諦めていい理由が出来たから、ほっとした」と、一回流されてしまいます。
ギリメカラが主役の意味は、この二つだけだと思います。
ここから先は、明るいエンディングにするためには……という、全体の話になります。
この二つの要素に、既存の要素(スパイス)をぶちこんだ物が、放サモのシナリオになっています。
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放サモ要素を加えた物
a …… 応援や慰めは、負担になる(周りは?)
シンヤ …… ギリメカラと同じく、「どうしようもない理由」を持っている為、諦めさせたくない。全力で応援したい。
主人公 …… 絶対に一位になれないので、シンヤと同じ気持ち。(スルトとの会話や、クリスマス狂想曲参照)
理由や愛などで、メインシナリオ要素等に、繋がっていきます。
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b …… 失敗した理由が、運命(周りは?)
シンヤと主人公 …… aと同じく。
クロード(未登場) …… ループだからと、どこかで諦めていた(メインシナリオより)
バーゲスト(未登場) …… 不幸の運命持ちだけど、ケンタを育てているため、ある意味、別の道を示している。
他はネクロス等。
今度は、イベント未登場のキャラクター達と、どんどん繋がっていきます。
他のキャラクター達と、共通項があるという事は、土台が同じ、という意味だと思います。多分。
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シナリオに納得がある理由
バーゲストは、ギリメカラと似てるけど、ケンタと生活したりして、別の道を作っているかも?
という要素で、うっすら否定し、希望を持たせる物もあります。
しかし、見方を変えた場合、バーゲストは運命から逃れられず、ギリメカラのような考えになっている、とも考えられます。
この場合、今度は逆に、絶望を持たせる物にもなります。
イベントシナリオが、中途半端に終わらないのは、他の要素との繋がりが、強力だからだと、私は思っています。
ちなみに、この要素は、作品にとって、正解を持たせます。
バーゲストの人生を、かなり確定させるとかで、ルートを変更する等。
放サモの場合、極力正解を出さない作品なので、このルート確定が、存在しません。
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その他との繋がり
裏表
バロン「裏表まで楽しんでいってほしい」
ヨリトモ「裏表の無い表情をする、弟は恐ろしい」
ギリメカラ(A神話)と、アイラーヴァタ(B神話)
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私はあなたが嫌いです
シンヤの能力は、無意識的な物なので、ほぼ全員が、好きと答える。
否定してくれる人が居た、という事は、別の視点から、シンヤを見ているという事。
「好き」というフィルターを介していない、本音をぶつけてきてくれる。等。
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ぶっちゃけ飽きたのだよ
ループ繰り返してる、世界柱ならでは。
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感想
文頭でも書きましたが、こんな感じで、放サモシナリオは、横との繋がりが、非常に多いです。
ストーリーを進めていると、ニヤリとする場面……にも繋がっていきますから、読んで損なし、遊んで損無しゲームになっています。